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独立時計師系の前進

今年の中古市場やオークションを注視している読者なら、今の大きなトレンドが現代の独立系時計師であることをご存じだろう。F.P.ジュルヌはその代表格だが、ほかのメーカーも注目度が高まっている。

「独立時計師はヴィンテージと現代のコレクターをつなぐ架け橋です」とトゥシェット氏は言う。「コレクターが独立時計師による作品に見出しているのは、数量が限られていて、品質が極めて高く、ヴィンテージに比べて非常に着用しやすい時計だということなのです」

この週に出品されたジュルヌの時計は基本的にどれもエスティメートの上限をどんどん超えていった。しかし、私の目を引いたのは初期のドゥ・べトゥーンの2本の成立価格だった。2005年製のクロノグラフが13万8600ドル(約1590万円)、2007年製のパーペチュアルカレンダーが17万6400ドル(約2020万円)で落札されたのだ。これまで希望小売価格をはるかに下回る価格で流通していたドゥ・べトゥーンのようなブランドが、このような価格で取引されるようになったことをクー氏に話したところ、彼はこれまで考えたこともなかった見解を示してくれた。

「独立時計師系のマーケットはかなり操作されやすいと思います。私も独立時計師の時計が好きで、自分でも収集しています」とクー氏は続けた。「しかし年間生産本数が200本以下のブランドのことを考えてみてください。もし誰かが一度に10本の時計を買えば相場を操作することができます。例えば赤サブを10本買っても相場が微動だにしないのと対照的です」

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